学童期の子をもつ母親の虐待行動とその要因

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タイトル別名
  • Child Abuse of School Children by their Mothers and Its Causes
  • ガクドウキ ノ コ オ モツ ハハオヤ ノ ギャクタイ コウドウ ト ソノ ヨウイン

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抄録

全国政令指定都市(13都市)在住で,学童をもつ母親1,500人を対象として自記式アンケート調査を行い,虐待行動に関連する要因を検討した.調査内容は,不適切な育児行為,メンタルヘルス,母性意識や自己尊重感,サポートの有無など多面的な項目で構成した.重回帰分析により虐待に関連する要因を解析したところ,解離傾向・母性意識否定感・母親の年齢・自尊心・夫が暴力をふるうなどが選択された.乳幼児調査でもっとも影響があったのは「子どもの数」(育児負担)であったが,学童調査では解離傾向という母親のメンタルヘルスであった.解離傾向は母親自身の虐待行為への認知の妨げになっている可能性が高く,今後母親にはさまざまな育児支援とともに,解離傾向というメンタルヘルスヘの視点とそれに応じた援助が必要であることが示唆された.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 45 (1), 46-56, 2004-07-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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