市場化における社会福祉法人の社会的アカウンタビリティ : マルチ・ステークホルダー理論に依拠した組織ガバナンス

書誌事項

タイトル別名
  • The Social Accountability of Social Welfare Corporations in Welfare Marketization : Organizational Governance Based on Multi-stakeholder Theory
  • シジョウカ ニ オケル シャカイ フクシ ホウジン ノ シャカイテキ アカウンタビリティ : マルチ ・ ステークホルダー リロン ニ イキョ シタ ソシキ ガバナンス

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抄録

本稿は,社会福祉法人の公益性実現に向けて求められる組織ガバナンスについて,社会的アカウンタビリティ(A/C)をキーワードに,欧州の社会的企業などで採用されているマルチ・ステークホルダー(MSH)理論に依拠して具体的説明を試みるものである.その際,それを可視化する評価システムとしてソーシャル・バランスシート(S.B/L)の可能性までを射程に検討を行った.MSHとしての,(1)職員,(2)利用者(受益者),(3)地域,(4)政府に対するA/Cを説明した後,SHへの富や価値の分配のかたよりを抑制するメカニズムとして情報開示と説明責任を果たすS.B/Lの妥当性について確認した.最後に,今後,経営の透明化を図るシステムとして,こうしたMSHアプローチに基づく外部からのコントロール権の獲得がますます重要になることを述べ,日本の社会福祉法人固有の実践に合わせたより現実的なアプローチに練り上げていくプロセスの必要性に言及した.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 54 (4), 3-15, 2014-02-28

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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