教員養成課程学生対象「生きたアメンボ」を用いた実験後
書誌事項
- タイトル別名
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- Sea urchins and wharf roaches as teaching materials for marine biological practical courses
- ~アメンボは何故浮くか?と生物教材の意義~
- - Learning developmental biology and physiology-
抄録
<p>小学校理科学習指導要領解説1 には, 「身の回りの生物と環境との関わり」など授業で生物 との関係が重視され,「メダカの解剖」授業は内部形態理解に有効である2。しかし, バーチャル化の進んだ現在の教員養成課程学生の「生きた教材」への意識は不明である。本研究では「生きたアメンボ」を使った簡単な実験の後, 「アメンボは何故浮くか?」や生きた生物教材への理解・意識調査を行った。 某国立大学教員養成課程実験(1 回生対象, 2011-2016, 518, 計女子225, 男子293)で, 「アメンボ(Aquarius paludum)の浮く水面に洗剤を1 滴落とすとどうなるのか?」をテーマに実験を行い, その後質問紙調査 を行った。 質問1: 洗剤滴下後のアメンボの反応; 質問2: アメンボが水面に浮ける理由, 質問3: 小学校授業での生物教材使用の是非とその理由。質問1 で, 100%の学生が「沈んだ」と答えたが, その様子を記述した女子の割合(65.3%)は男子 (54.4) より有意に高い傾向にあった(χ2-test: p=0.11)。質問2 で 81.8%の学生が「油を塗っている」と答えた(ビデオ解説済み)が、「表面張力で浮く」と答えた男子は19.7%おり、女子は12.8%だった(p=0.19)。質問3で「生きた生, 物教材」を98.0%の学生が是としたが, 1.0% が非とした(苦痛を与える)。是とした理由は「好奇心、」「環境学習効果」「原体験」「観察力」「いのちの教育」を増進する, であり, この記述数は年々減少した(p=0.007)。学習指導要領の影響もあってか,「生きた生物教材」使用肯定の約4 割が「生命について学ばせたい」と解答した。しかし, 教員養成課程の学生が教材の意義を具体的に(多様に)考えられなくなってきている危険性がある。</p>
収録刊行物
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- 日本科学教育学会研究会研究報告
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日本科学教育学会研究会研究報告 32 (8), 15-18, 2018-05-26
一般社団法人 日本科学教育学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564237999458048
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- NII論文ID
- 130007402456
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- ISSN
- 18824684
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可