Advanced functional aluminum materials based on nanostructured surface

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  • 表面ナノ構造に基づく新規機能性アルミニウム材料の開発
  • ヒョウメン ナノ コウゾウ ニ モトズク シンキ キノウセイ アルミニウム ザイリョウ ノ カイハツ

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アルミニウムを中性のホウ酸塩やリン酸塩に浸漬してアノード酸化(陽極酸化)すると、アルミニウム上に緻密なバリヤー型酸化皮膜が生成する。一方、硫酸、シュウ酸、リン酸およびクロム酸などの酸性水溶液を用いてアルミニウムをアノード酸化すると、ナノサイズの細孔が無数に配列したポーラス型酸化皮膜(ポーラスアルミナ)が生成する。これら2種類のアノード酸化法は、電解コンデンサにおける誘導体皮膜やアルミニウムの耐食性向上、装飾性の付与などに幅広く応用されており、アルミニウムおよびその合金の表面処理法として工業的に極めて重要である。アルミニウムのアノード酸化に関する研究開発は20世紀初頭に始まり、電気化学的なアノード酸化挙動の評価、走査型・透過型電子顕微鏡の発達によるアノード酸化被膜の詳細な観察とナノ構造の理解、各種アルミニウム実用材料への応用展開、そして最先端ナノテクノロジーとしての進化と、この100年間にわたって日本の研究者たちが世界をリードしてきたことは特筆すべきことである。一方で、アノード酸化に限らず、あらゆる科学技術が加速度的に発達したこの21世紀において、100年を超える歴史をもつ古い技術であるアノード酸化に、これ以上の劇的な進展が見込めるのか?という疑問をぶつけられることが少なからずある。その答えはわからない。しかし、その壁を壊して新しい世界を見つけることの楽しさこそが、ScienceとEngineeringの教育・研究機関で仕事をすることの醍醐味でもある。著者らは、公益財団法人軽金属奨学会の平成27年度課題研究として、新規なアルミニウムのアノード酸化を探索し、新しい機能を発現するための研究を遂行する機会を幸運にも得た。「試行的冒険的要素大なるも可」。募集要項の記載である。アノード酸化とは何か、原点に立ち戻ったときに素直に感じた疑問点を深く追求し、そこから得られた新しいアルミニウムのアノード酸化と機能の発現について試行・冒険した成果の概略を報告させていただきたい。

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