台湾における終末期医療の議論と「善終」の法制化

書誌事項

タイトル別名
  • <i>Debates on end-of-life care and the legalization of “good death” in Taiwan</i>
  • 台湾における終末期医療の議論と「善終」の法制化 : 「安寧緩和医療法」から「病人自主権利法」へ
  • タイワン ニ オケル シュウマツキ イリョウ ノ ギロン ト 「 ゼン シュウ 」 ノ ホウセイカ : 「 アンネイ カンワ イリョウホウ 」 カラ 「 ビョウニン ジシュ ケンリホウ 」 エ
  • -「安寧緩和医療法」から「病人自主権利法」へ-
  • the Hospice and Palliative Care Act and the Patient Self-Determination Act

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説明

<p> 台湾では、患者の自己決定権を規定する「病人自主権利法」が2016年1月に成立し、昏睡状態、植物状態、 重度な認知症、難病など終末期以外の患者も本人の事前指示による延命治療の差し控え・中止が認められるようになった。それまで終末期患者のみに限定した「安寧緩和医療法」(2000年制定)より適用対象が拡大された新法は、患者の自己決定権を確立する東アジア最初の法律である。本稿では「病人自主権利法」の成立経緯と内容を検討し、新法で明記された「善終」の概念と意義について考察した。第1章では法制化の背景について、まず「安寧緩和医療法」における自己決定権の問題を確認し、第2章では終末期以外の患者に対しても自己決定による延命治療の拒否に関する法制化の動きを検討した。第3章では新法の内容を整理し、法制化された「善終」の概念は特定な臨床的状況を前提に構築されたものであることを示し、「病人自主権利法」は広く自己決定権を認める一方、文化的に認識された「善終」の概念を狭める可能性を提示した。</p>

収録刊行物

  • 生命倫理

    生命倫理 27 (1), 113-121, 2017

    日本生命倫理学会

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