マウス坐骨神経に対する高脂肪食の影響

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タイトル別名
  • The Effects of High-fat Diet on the Mouse Sciatic Nerve

抄録

<p>【目的】高脂肪食は肝臓、膵臓ならびに骨格筋組織内に脂肪を過剰に蓄積させることで、毒性を引き起こすが、高脂肪食による末梢神経細胞に対する影響は不明である。そこで本研究では、雌雄マウスに高脂肪飼料を摂取させ、末梢神経組織である坐骨神経に対する脂肪酸の影響を検討した。</p><p>【方法】雌雄マウス(8週齡)に高脂肪飼料(ラード使用)を1週間摂取させ、神経変性の引き金となる神経細胞死を指標として、坐骨神経中の細胞死マーカー遺伝子(BaxおよびBcl2)の発現量をReal time RT-PCR法で解析した。また神経細胞に対する脂肪酸の直接的な影響を検討するため、レチノイン酸を処理することで、神経細胞に分化させたNeuro2aにラードの主要脂肪酸であるパルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)ならびにオレイン酸(C18:1)の細胞毒性をLDHの放出量で評価した。</p><p>【結果】高脂肪飼料摂取した雄マウスの坐骨神経において、BaxおよびBcl2のmRNA発現量は有意に増加したが、雌マウスではそれらの増加が認められなかった。Neuro2aに対する脂肪酸の影響としては、オレイン酸はパルミチン酸およびステアリン酸よりも強い細胞毒性を有していた。しかし、このオレイン酸の細胞毒性は雌性ホルモンである17β-エストラジオール(E2)によって抑制されることが明らかになった。以上より、高脂肪食によってマウスの末梢神経細胞は傷害されるが、E2がこの傷害を緩和している可能性が示唆された。現在、雌マウスの坐骨神経におけるE2の保護作用について検討中である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238006735360
  • NII論文ID
    130007432504
  • DOI
    10.14869/toxpt.45.1.0_p-14
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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