人工知能による病理画像認識の現状

DOI
  • 袴田 和巳
    シスメックス株式会社中央研究所第一研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Current Status of Pathological Recognition By Artificial Intelligence

抄録

<p> 人工知能を自動運転や囲碁などに応用した例は広く知られており、日常においてもそれらの用語を聞かない日がないほどに一般的な用語となっている。人工知能の応用先として、医療分野も例外ではなく、X線画像、MRI、内視鏡等の医用画像に対して病変部位を認識するAI、ワトソン、ホワイトジャック等の診療支援AIなど枚挙に暇がない。病理像でも乳がん、肺がん等の組織画像を用いたコンペティションがおこなわれたり、国立医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development: AMED)主導で病理組織の収集基盤整備が進められたり等、人工知能の研究において大きな関心を集めている。</p><p> 様々な成果が公表されているがこれらの問題を取り扱う際に人工知能をどのように学習すればいいのか?どのような問題が起こり得るか等については想像が難しい。我々は進行性胃癌の組織画像を対象に深層学習による核/組織認識モデルの構築を試みたところ、それぞれの部位を高精度に認識できるモデルが構築できることがわかった。さらに、ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC、Project06 参加企業:大塚製薬株式会社、富士通株式会社、第一三共株式会社、シスメックス株式会社)において、薬剤を投与した時の組織への影響の有無や病変領域の推定を試みた。これらの結果を報告するとともに人工知能を用いた病理像の認識について現状とその問題点を議論したい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238009741824
  • NII論文ID
    130007432022
  • DOI
    10.14869/toxpt.45.1.0_s13-4
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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