術後創部感染に対する抗菌薬投与中に出現した後天性第V因子インヒビター

  • 岡部 崇志
    国立病院機構 東京医療センター 血液内科
  • 上野 博則
    国立病院機構 東京医療センター 血液内科
  • 藤田 進也
    国立病院機構 東京医療センター 血液内科
  • 籠尾 壽哉
    国立病院機構 東京医療センター 血液内科
  • 朴 載源
    国立病院機構 東京医療センター 血液内科
  • 矢野 尊啓
    国立病院機構 東京医療センター 血液内科
  • 横山 明弘
    国立病院機構 東京医療センター 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Occurrence of acquired factor V inhibitor during antibiotic therapy for a surgical wound infection
  • 症例報告 第7回日本血液学会関東甲信越地方会 優秀演題 術後創部感染に対する抗菌薬投与中に出現した後天性第Ⅴ因子インヒビター
  • ショウレイ ホウコク ダイ7カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ユウシュウ エンダイ ジュツゴソウブ カンセン ニ タイスル コウキンヤク トウヨ チュウ ニ シュツゲン シタ コウテンセイ ダイ Ⅴ インシ インヒビター

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抄録

<p>後天性第V因子(FV)インヒビターは稀な疾患であり,多様な臨床症状を示すのが特徴である。手術後,抗菌薬投与中に発症し,複数の凝固因子活性が偽低値を示したFVインヒビターを経験した。症例は82歳女性で,直腸がん術後創部感染に対して抗菌薬を投与していた。PT,APTTが延長したため既往の心房細動に対するヘパリン投与を中止したが,改善を認めなかった。凝固因子活性は第II,V,VII,VIII,IX,X,XI,XII因子で低下し,特にFV活性が1%未満と著明に低下していた。クロスミキシングテストはインヒビターパターンであり,複数の凝固因子インヒビターが陽性であったが,FVインヒビターが62 BU/mlと高力価であった。出血傾向はなく創部感染が遷延していたため免疫抑制療法は行わず経過観察したところ,発症4ヶ月でインヒビターは消失した。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (8), 1007-1011, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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