呼吸性不整脈位相カップリングと徐波睡眠の連関

DOI
  • 新関 久一
    山形大学大学院 理工学研究科 応用生命システム工学専攻
  • 鵜川 成美
    山形大学大学院 理工学研究科 応用生命システム工学専攻
  • 齊藤 直
    山形大学大学院 理工学研究科 応用生命システム工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Association of phase coupling of respiratory sinus arrhythmia with slow wave brain activity

説明

<p>睡眠は生命維持に不可欠な生理的欲求であり,睡眠不足とくに徐波睡眠の欠如は,肥満や高血圧,糖尿病,記憶障害など様々な疾患の素因になると考えられている。したがって睡眠時にどの程度徐波睡眠が現れるかを定量的に評価することは重要である。睡眠段階の推定には睡眠ポリグラフ検査が用いられるが,脳波,眼電図,筋電図の計測が必要であり,また睡眠段階の判別は時間を要するため,簡便な計測法の開発が望まれている。従前から睡眠段階と自律神経活動との関連が示唆されており,ノンレム睡眠からレム睡眠への遷移では交感神経活動が賦活し,ノンレム睡眠では副交感神経活動が亢進する。先行研究で呼吸性不整脈(RSA)の位相同期度(λ)は自律神経活動の指標になり得ることが明らかにされており,本研究ではλが徐波睡眠を予測する指標になるのではないかと推測し検討を行った。25名のボランティアで睡眠時に脳波と心電図の同時計測を行った。心電図のR波間隔からRSAを抽出し,R波の振幅変調から呼吸を推定した。RSAと呼吸の瞬時位相差からλを10秒の窓で算出し,2分間の移動平均を求めた。脳波からδ波を抽出し,その振幅を求めた。δ波振幅とλの相互相関解析および自己相関解析から,λとδ波振幅の相関は高く,その周期はほぼ一致することが明らかとなった。λは睡眠時の徐波睡眠時間帯を推定する指標になりうると結論した。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual56 (Abstract), S274-S274, 2018

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238023478912
  • NII論文ID
    130007483858
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual56.s274
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ