退行性海底地すべりが津波水位に与える影響の研究

  • 木場 正信
    金沢大学大学院 自然科学研究科環境デザイン学専攻
  • 山本 朗宜
    金沢大学大学院 自然科学研究科環境デザイン学専攻
  • 上野 卓也
    金沢大学大学院 自然科学研究科環境デザイン学専攻
  • 由比 政年
    金沢大学 理工学研究域環境デザイン学系

書誌事項

タイトル別名
  • A STUDY ON THE EFFECT OF RETROGRESSIVE SUBMARINE LANDSLIDE ON TSUNAMI HEIGHT
  • タイコウセイ カイテイ ジスベリ ガ ツナミ スイイ ニ アタエル エイキョウ ノ ケンキュウ

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抄録

海底地すべり様式のうち斜面下部から開始する退行性地すべりに着目し,地すべりの分割数や移動開始時間差と津波水位の関係を解析した.また,水深や地すべり速度に対する水位の感度も解析した.ゴドゥノフ型有限体積法を適用した非線形長波数値モデルを用い,各時刻の海底地盤変動を考慮した.全長1kmの比較的小規模な地すべりを対象に退行性の影響評価を行ったところ,エネルギー分散による津波波長の伸張と振幅の低減が主であり,単一ブロックの剛体運動による津波水位が最大級となるが,時間差により地すべり背後側で10%程度の水位の増幅が生じた.これは個別の小ブロックに起因する津波の重畳による.個々の地すべりにおいて退行性による増幅が生じる時間差は長波の波速に基づき水深に応じ推定可能であるので,これを用いて津波の想定に反映できる.

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参考文献 (9)*注記

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