ブナハバチ雌成虫の発生とブナ展葉の同時性が被食量に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Synchronization of adult female emergence of Fagineura crenativora and leaf opening of Fagus crenata : effect on larval feeding damage
  • ブナハバチ メス セイチュウ ノ ハッセイ ト ブナテン ヨウ ノ ドウジセイ ガ ヒショクリョウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

ブナハバチの雌成虫の発生量が卵密度や幼虫による葉の被食量に及ぼす影響を検討するため,丹沢山において3年間にわたり黄色の衝突板トラップを用いた雌成虫の発生消長・発生量,ブナ展葉フェノロジー,卵密度および被食量を調査した.雌成虫は1ヶ月程度にわたり捕獲され,1〜2週間程度の比較的短期間のピークを持つ一山型の捕獲消長を示した.合計捕獲数は2007年が191個体,2008年が75個体,2009年が162個体であった.捕獲ピークは産卵可能な若葉の出現期間に対して,2007年と2008年は一致し,2009年は遅れた.若葉の出現期間中の捕獲数は2007年が166個体,2008年が51個体,2009年が11個体であった.卵密度は2007年が36卵/100葉で,この年は激しい被食が観察された.一方,2008年および2009年の卵密度はそれぞれ3卵/100葉,4卵/100葉で,被食は極めて少なかった.これらより,被食量には若葉の出現期間中に発生した雌成虫量が反映されることが示唆された.

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