ウシ末梢血多核球と単核球におけるIFNT応答性と作用の比較検討

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Interferon-tau response and its function in bovine peripheral blood immune cells.

説明

<p>【目的】インターフェロンタウ(IFNT)は反芻動物の妊娠特異的サイトカインであり,血液中の免疫細胞にも作用する。妊娠牛ではIFNT刺激の指標としてISG15 mRNA発現の増加が確認できるが,末梢血単核球(PBMC)よりも末梢血多核球(PMN)でIFNT応答性が高いことなど,細胞毎に応答性が異なる可能性が報告されている。IFNTが免疫細胞に妊娠情報を伝達する役割は不明であるため,本研究では PMNとPBMCにおけるIFNTの反応性や作用を検討した。【方法】ウシ末梢血よりPMNとPBMCを単離し,IFNT添加後6—20時間培養し,IFN誘導因子(ISG15・CXCL10),炎症・抗炎症性サイトカイン(IL1β・IL10),免疫活性化因子(iNOS),免疫寛容因子(programmed death-1 ligand:PDL1)mRNA発現量をRT-qPCR法で測定した。【結果】PBMCとPMNにおける各因子の基礎的 mRNA発現レベルのmRNA発現量はISG15,IL1β及びiNOS mRNA発現量はPBMCよりPMNで高く,IL10 mRNA発現はPBMCで高かった。IFNT添加6時間では両細胞とも同程度のISG15 mRNA発現増加が見られたが,20時間ではPMNよりもPBMCで高く維持された。その他各因子の6時間培養時におけるIFNT用量依存的な変化を見た所,IL1β mRNA発現はPBMCでは変化しなかったが,PMNではIFNT添加で減少した。PMNにおいてiNOSとIL10 mRNA発現に変化は見られなかったが,PBMCでは増加した。また,両細胞においてCXCL10 mRNA発現はIFNT添加で増加した。免疫寛容を誘導するPDL1 mRNAはPMNにおいて5倍,PBMCで3倍まで増加した。以上から,ウシ末梢血白血球の細胞種によってIFNT応答性が異なることが分かった。また,IFNTの刺激によって免疫寛容を誘導するPDL1 mRNA発現が両細胞で増加した。今後はIFNT刺激による細胞機能変化の検討が必要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238025004544
  • NII論文ID
    130007486796
  • DOI
    10.14882/jrds.111.0_p-44
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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