まれな材質の消化管異物の質的診断においてCTによる階調処理が有用であった1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The Usefulness of Gradation Processing of CT Imaging in a Case of a Foreign Body in the Sigmoid Colon

この論文をさがす

抄録

<p>症例は35歳男性,4,5日前からの便秘,左下腹部痛を主訴に救急受診した。来院時左下腹部に硬結と圧痛を認めた。単純CTを施行し腹部条件(window width(以下,WW)=270,window level(以下,WL)=10)でS状結腸に鉛管状所見と口側の拡張を認め,20cm×7cm大の腸管内異物の存在が疑われた。肺野条件(WW/WL=1,800/−700)において明瞭に描出される平均CT値−200HU(Hounsfield Unit)の石油製品と診断し,破砕による人体毒性が否定できないため内視鏡下での摘出にこだわらず開腹し筒状性玩具を摘出した。術後経過は良好であった。一般に腸管内異物の検索にはCT検査が有効であるが,今回のようにウィンドウ幅の大きな条件でなければ描出できないCT値を示す材質のものも念頭に置く必要があることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ