アコースティックエミッション解析によるチタンの変形・破壊機構に関する研究 : 第2報 シリカ-アルミナ-リン酸塩埋没材の鋳型に鋳造したチタン表層の多層構造組織の役割

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タイトル別名
  • Study on the Deformation and Fracture Mechanism of Titanium by Means of Acoustic Emission Analysis : Part 2.Roles of the Surface Layered Structure of Titanium Cast into a Phosphate-bonded Silica Alumina Investment Mold

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説明

シリカ-アルミナ-リン酸塩埋没材の鋳型に鋳造したチタンの変形・破壊機構を三点曲げ試験, アコースティックエミッション(AE)解析, および光顕観察によって検討した.表層に生成するαケースのために, 鋳造体の弾性限と最大荷重は高いが, 酸洗いによって低下する.As-castの場合は, 巨視的な弾性変形の過程で既に, クラックはαケースからSi, P-rich層を通って針状組織層内まで進展し, 塑性変形の過程で開口する.室温鋳型の場合は, 低い振幅のAEが変形の全過程にわたりほぼ一定の発生率で検出された.これは引張側表層においてクラック発生・進展・開口の領域が中央から両側支点に向かって拡大する過程である.800℃鋳型の場合は, 弾性限に至る前に, 低い振幅ではあるが, 累積エネルギの大きい連続型AEが発生した.これは多くの一次クラックがほぼ同時期に進展し始めるためと考えられる.塑性変形過程の後半からは荷重が大きく低下し, AE発生率も減少した.これは中央付近の主クラックが内部組織を連続的に進展する過程で, 内部組織のクラック進展抵抗は小さい.表層を除去した場合のAEは, 弾性変形過程では発生せず, 塑性変形の過程でも少なかったが, 高い振幅のAEがかなり混じっていた.高い振幅のAE発生の原因は不明である.

収録刊行物

  • 歯科材料・器械

    歯科材料・器械 11 (4), 559-569, 1992-07-25

    一般社団法人 日本歯科理工学会

被引用文献 (3)*注記

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