N-アリルマレイミド共重合体の熱硬化反応と金属接着特性

  • 仙波 諒介
    大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野
  • 大幡 涼平
    大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野
  • 松本 章一
    大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Thermal Curing of Copolymers of N-Allylmaleimide andTheir Adhesion Property for Metal Bonding
  • N-アリルマレイミド キョウ ジュウゴウタイ ノ ネツ コウカ ハンノウ ト キンゾク セッチャク トクセイ

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抄録

<p>本研究では,反応性を有する置換基を側鎖に含むマレイミド共重合体を合成し,後重合反応を利用した熱硬化挙動およびこれら硬化系の金属に対する接着特性について検討を行った。まず,N-アリルマレイミド(AMI)とアクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)あるいはn-ブチルビニルエーテル(BVE)のラジカル共重合により3 種類の共重合体を合成し,1H NMR スペクトルより共重合体中の繰り返し組成を決定した。解析の結果より,25mol%および37mol%のAMI 単位を含む2EHA とのランダム共重合体(PAE-25 およびPAE-37)と55mol%のAMI 単位を含むBVE との交互共重合体が生成していることがわかった。側鎖に反応性アリル基を有するこれらマレイミド共重合体はいずれも330℃以上の高い熱分解開始温度を示した。側鎖アリル基の熱硬化反応ならびに多官能チオール化合物であるペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトブチレート(PEMB)とのエン- チオール反応を利用した熱硬化反応を行い,140-160℃での加熱によって架橋構造が形成され,不溶化が進行することを確認した。IR スペクトルから決定したアリル基の反応率は約60%であったが,トリアリルイソシアヌレート(TAIC)を添加することで反応率が向上することを見出した。これら共重合体のエン-チオール反応による硬化物を接着剤として用いたステンレス鋼( SUS)板間の接着強度は4.3-5.2 MPa であり,TAIC を添加して同様の反応を行うと接着強度は6.4 MPa まで向上した。</p>

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参考文献 (23)*注記

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