造血幹細胞移植後のTMA診療

書誌事項

タイトル別名
  • Management of transplant-associated thrombotic microangiopathy
  • ゾウケツ カンサイボウ イショク ゴ ノ TMA シンリョウ

この論文をさがす

抄録

<p>移植関連血栓性微小血管症(transplant-associated thrombotic microangiopathy, TA-TMA)は造血細胞移植後に発症する血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy, TMA)の一亜型で,①微小血管症性溶血性貧血(microangiopathic hemolytic anemia, MAHA),②消費性血小板減少,③微小循環不全による臓器機能障害を臨床的な特徴とする。移植前処置に用いる抗がん剤や放射線,免疫抑制剤であるカルシニューリン阻害剤,感染症の際に放出されるサイトカインや活性化した補体因子など,さまざまな要因が血管内皮細胞を障害することがTA-TMAの発症起点と考えられている。確立された診断法がないためその発症率は報告により異なるが,同種移植での合併率は15~30%とされる。現時点で標準治療法はなく,死亡率は最も高いもので100%と報告されている。本稿ではTA-TMAの病態と現在推奨されている診断法や治療法について概説する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (10), 2307-2314, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ