術後に肺水腫を生じた駆出率の保たれた心不全の1症例

書誌事項

タイトル別名
  • Postoperative pulmonary edema in preclinical heart failure with preserved ejection fraction
  • 症例報告 術後に肺水腫を生じた駆出率の保たれた心不全の1症例
  • ショウレイ ホウコク ジュツゴ ニ ハイ スイシュ オ ショウジタ クシュツリツ ノ タモタレタ シンフゼン ノ 1 ショウレイ

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抄録

<p> 76歳,女性。卵巣腫瘍に対し腹腔鏡下付属器摘出術を予定した。N末端プロ脳ナトリウム利尿ペプチドの上昇や左室拡張機能障害などを認めたが,心不全症状はなかった。</p><p> 術後,肺水腫を生じた。利尿薬投与により改善し,合併症なく退院した。</p><p> 本症例は駆出率の保たれた心不全(heart failure with preserved ejection fraction : HFpEF)の初期であったと考えられた。術前に心不全症状がなかったためにリスクを過小評価し,肺水腫を予防できなかった。</p><p> HFpEF患者は,心不全症状がない場合でも心負荷増大により急激に肺水腫を生じうる。HFpEFを疑う場合,詳細な術前評価や容量過負荷に対する術前治療を考慮し,適切なモニタリング下に周術期管理を行うことが肺水腫の予防に重要である。</p>

収録刊行物

  • Cardiovascular Anesthesia

    Cardiovascular Anesthesia 22 (1), 145-149, 2018-08-01

    一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会

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