研究倫理の原則と実践

  • 平瀬 主税
    近畿大学医学部附属病院 臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • The principles and practice of research ethics
  • ケンキュウ リンリ ノ ゲンソク ト ジッセン

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抄録

<p>医学研究は,崇高な理念と高い倫理観を持つ,医療のプロフェッショナルである医師が,未来への知識を得るために実施するものである。そのため,医師は「人格の尊重」「恩恵」「正義」等の倫理原則を正しく理解し,研究の場で適切に実践しなければならない。今般,度重なる研究不正により失墜した臨床研究に対する国民の信頼を回復させるべく,臨床研究法が制定された。法による研究規制であると悲観するのではなく,法の下で実施する臨床研究で得られるエビデンスを効果的に活用し,革新的な医療技術の開発に繋げるための枠組みについて,議論を始めなければならない。世界的に臨床研究を取り巻く環境が変化してゆく中で,医療資源が極めて限られる本邦において,世界に通用するエビデンスを創出するためには,倫理的妥当性および科学的合理性が確保された質の高い臨床研究を継続してゆくことが必要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (10), 2380-2389, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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