文化に根ざした認知症予防教室の開発過程における日中比較

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タイトル別名
  • Comparison Between Japan and China Through the Process of Developing Culturally Congruent Dementia Prevention Classes
  • ブンカ ニ ネザシタ ニンチショウ ヨボウ キョウシツ ノ カイハツ カテイ ニ オケル ニッチュウ ヒカク

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抄録

<p> 本研究は,文化に根ざした認知症予防教室を中国と日本の対象地域で開発し,両国の開発過程の実際について検討・比較することにより,国際比較研究の文化看護学上の意義について考察することを目的とし,「中国と日本の教室の教育内容の作成」「中国と日本における教室の実施と評価」「開発過程における日中文化の比較」の3段階で実施した。教室の教育内容は各国の認知症に対するイメージに関する地域住民へのインタビュー内容をKJ法で分析した結果に基づいて作成した。その結果,中国では『痴呆患者の自立能力低下による世話ニーズの全面化』が前提となり『社会全体からの関心ニーズ』が強調されたことで,教室内容は「老年性痴呆の基礎知識」「痴呆患者の生活への介護の実際」「痴呆患者と家族への社会支援の提供」となった。日本では認知症が『自然のあり方』であり,『介護は地域社会における自然循環がいい』が通底している中,認知症介護を考える際には『親子関係が密着して考えられる』や『介護の真の大変さはわかってもらえない』が見出されたことで,教室内容は「認知症について正しく知ろう」「認知症の家族を介護すること,介護されること,それぞれの気持を理解する」「社会全体で認知症の人やその家族を支える方法を考える」となった。両国での教室実施後の評価の比較により,両国の文化的背景における共通点と相違点が明確になると同時に,本研究方法は自国の文化に根ざした実践活動を形作ることに有意義であると考えられた。</p>

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