腰椎腹腔シャントを有する直腸癌症例に対して腹腔鏡下低位前方切除術を施行した1例

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  • A Case of Laparoscopic Low Anterior Resection for Rectal Cancer with Lumboperitoneal Shunt

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抄録

<p>腰椎腹腔シャントを有する直腸癌に対し腹腔鏡下低位前方切除術を施行した症例を経験したので報告する.症例は60歳の男性で,既往歴としてクモ膜下出血と続発性水頭症に対しクリッピング術,腰椎腹腔シャント術を施行された.肺転移を伴う直腸癌を指摘され,当科へ紹介された.大腸内視鏡検査で歯状線より6cmの直腸に全周性腫瘍を認め,生検で中分化腺癌であった.胸部CT検査で右肺転移を認めた.シャントに対し処置は行わず,通常気腹圧下で腹腔鏡下低位前方切除術を施行した.シャント先端は左側腹部から腹腔内に認め,気腹圧10mmHgで型通りに手術を行い,diverting ileostomyを造設し,吻合部後面にドレーンを留置した.術中にシャントに異常は認めなかった.術後経過は良好で,術後第5病日にドレーンを抜去し,シャントに異常は認めず,第17病日に退院した.逆流防止機構付きの脳室(腰椎)腹腔シャントを有する大腸癌患者に対して,腹腔鏡下手術を安全に施行可能と考えられた.</p>

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