抄録
我々は,肩関節Virtual Reality Arthroscopic Trainer(VRAT)の訓練により手術スキルが向上するか検討した.12名(訓練群:T群5名,非訓練群:N群7名)を対象とし,肩関節鏡手術時に9か所のプロービングに要した時間と,技術を5項目の合計点Global Score(GS)で事前評価した.これを3症例に行った.T群はVRATで25時間訓練後に,N群は訓練を行わずに,事前と同じプロービングを3症例に行い事後評価した.T群では訓練後に有意な所要時間の短縮(344→139秒),補正所要時間比の短縮(5.17→2.17)がみられ,GSは向上傾向だった.N群では変化はなかった.T群はN群に対し,訓練前後での所要時間,補正所要時間比の短縮及びGSの改善が有意に大きかった.本研究により,VRATによる訓練は,肩関節鏡手術スキルを向上させうると思われ,肩関節鏡視下手術のラーニングカーブの短縮と患者安全性の一助となると考える.
収録刊行物
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- 肩関節
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肩関節 42 (3), 786-791, 2018
日本肩関節学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238037781760
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- ISSN
- 18816363
- 09104461
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可