背部に発生した紡錘形細胞脂肪腫の1例

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抄録

<p>【はじめに】紡錘形細胞脂肪腫spindle cell lipomaは脂肪腫の特殊型で,中年男性の後頚部,肩,背部に好発する稀な腫瘍である.【症例】70歳男性,背部皮下に弾性軟,約8 cm大の腫瘤を認めた.MRI上T2強調画像にて著明な高信号を主体とし,漸増性の増強効果を呈し内部に微小な脂肪成分を認め,分葉状の形態を呈していた.粘液型脂肪肉腫との鑑別が必要と考え,生検術を施行.肉眼的に粘液性の成分と一部線維性の組織を採取した.病理所見では粘液腫様の間質内に存在する短紡錘形の腫瘍細胞はCD34陽性,ロープ状膠原線維の存在やMDM2陰性から紡錘形細胞脂肪腫と診断し,辺縁切除術を施行した.【まとめ】紡錘形細胞脂肪腫は術前診断が難しく,他の脂肪系腫瘍である粘液型脂肪肉腫や異型脂肪腫様腫瘍との鑑別が重要である.画像所見や病理所見,臨床所見について文献的考察を加え報告する.</p>

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