赤外分光法を用いた高温におけるゼオライト上のブレンステッド酸点の挙動解明

DOI
  • 大須賀 遼太
    東京工業大学物質理工学院応用化学系応用化学コース
  • 野村 淳子
    東京工業大学科学技術創成研究院化学生命科学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • IR study of dynamic behavior of Brønsted acid sites on zeolites at high temperatures

抄録

ゼオライトは固体酸触媒として広く用いられており,その酸性質評価の1つとして赤外分光法が古くから利用されてきた。しかしながら,プローブ分子を用いた従来の酸性質評価方法は,触媒反応温度に比べ低い温度で評価しているといったデメリットが存在し,酸性質評価結果と触媒反応結果に相関が得られないといった報告もされている。そこで,高温におけるゼオライト酸性水酸基の挙動を赤外分光法で直接観測し,その際の酸性水酸基の解離エンタルピーを算出し,高温におけるゼオライト酸強度の指標とした。また,Density Functional Theory(DFT)計算の結果と併せることで,高温でのゼオライトのプロトンホッピング挙動についても検討を行った。その結果,ゼオライト上の酸性水酸基の解離エンタルピーはゼオライトの骨格構造に大きく依存していることが明らかとなり,およそ573 K付近の温度を境にエンタルピーの値に違いが観られた。この結果を受けて,温度変化によるプロトン位置についてDFT計算を行った結果,低温領域(573 K以下)ではプロトンがAlサイト周りに非局在化しており,高温になると格子全体をホッピングすることが明らかとなった。

収録刊行物

  • ゼオライト

    ゼオライト 35 (3), 101-108, 2018-07-15

    一般社団法人日本ゼオライト学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238045122816
  • DOI
    10.20731/zeoraito.35.3.101
  • ISSN
    09187774
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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