サブロー培地に発育したコロニーより診断に至った <i>Mycobacterium chelonae</i> 皮膚感染症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Cutaneous <i>Mycobacterium chelonae</i> Infection Diagnosed by the Colonies Yielded on Sabouraud's Medium
  • 症例 サブロー培地に発育したコロニーより診断に至ったMycobacterium chelonae皮膚感染症の1例
  • ショウレイ サブローバイチ ニ ハツイク シタ コロニー ヨリ シンダン ニ イタッタ Mycobacterium chelonae ヒフ カンセンショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>85 歳,男性。明らかな外傷歴や,免疫抑制状態となる基礎疾患はない。初診の約 2 カ月前より手背に紅色結節が出現した。皮膚生検組織の培養では小川培地に発育はなかったが,サブロー培地に白色コロニーを形成し,DNA-DNA hybridization 法で Mycobacterium chelonae (M. chelonae) と同定した。M. chelonae 皮膚感染症と診断し,クラリスロマイシンとレボフロキサシンの内服を開始した。投与 4 週間で紅斑・結節は改善し,16 週間で内服を終了した。M. chelonae は迅速発育菌に分類される稀な非結核性抗酸菌である。免疫抑制状態となる基礎疾患や,外傷が発症の誘因となることが多いが,健常人に生じる例も報告されている。培養陽性率は 50%程度と低いため診断が難しい場合も多い。サブロー培地や血液培地などに発育する場合があることも知られており,診断には様々な培地で繰り返しての培養検査を行うことが重要である。治療法は,抗菌薬内服や温熱療法,外科的切除があるが,確立された指針はない。今回 M. chelonae 皮膚感染症の抗菌薬による治療について本邦報告例をまとめ,考察した。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 80 (4), 358-361, 2018-08-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (2)*注記

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