大動脈に穿通した下大静脈フィルターの1例

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タイトル別名
  • Bird’s Nest Inferior Vena Cava Filter Penetrating the Aorta

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説明

<p>近年,手術の合併症として,急性肺血栓塞栓症(APTE),深部静脈血栓症(DVT)が注目されるようになってきた.また,APTEは出産後の重大な合併症としても知られている.これらの対処の一つとして下大静脈(IVC)フィルターを使用することがある.今回,われわれは出産後に起こったDVTに対して下大静脈フィルターを挿入され,その20年後のCT(コンピューター断層撮影)でIVCフィルターの異常像を指摘された症例を経験した.精査によりIVCフィルターの傾斜・破損はなく,そのstrutが大動脈内腔まで穿通していた.症状もなく,CTでは周囲に出血や炎症像や動静脈瘻も認めず,保存的治療を選択した.手術治療は過大なリスクを伴うため,症状出現時あるいは状態の変化時に施行と考えているが,その後7年間保存的療法のみで無症状で著変なく,CT像も変化なく経過をしているので報告する.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 29 (3), 409-412, 2018-11-26

    日本静脈学会

参考文献 (13)*注記

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