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- 取引の高速化と流動性へのインパクト:東証アローヘツドのケース
- トリヒキ ノ コウソクカ ト リュウドウセイ エ ノ インパクト : トウショウ アローヘッド ノ ケース
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<p>株式市場における取引スピードの高速化は流動性に影響するか.2010年1月に稼働した東京証券取引所の新システム「アローヘッド」により取引が高速化した影響を,東証1部上場銘柄について導入前後で比較したところ,約定件数の増加と約定サイズの縮小という取引パターンの小口高頻度化への変化が見られた.これとともに,投資家の即時執行コストを示す実効スプレッドが低下したが,その減少幅はアローヘッドの影響の大小により異なる.顕著な変化を示したメッセージ・トラフイック・パターンを銘柄別に推計し,流動性指標との関係を検証したところ,メッセージ・トラフイックが高頻度化した銘柄ほど取引後の逆選択コストが増加し,流動性供給リスクが上昇したという関係が推定された.この結果は米国市場で逆選択コストと実効スプレッドがともに上昇したのとは異なる.東証では,高頻度化のもとで流動性供給競争が激化し,これが流動性供給の対価と実効スプレッドの低下に寄与したものと推察される.市場における流動性供給環境が大きく変化したことを示唆する結果である.</p>
Journal
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- Gendai Finance
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Gendai Finance 31 (0), 87-107, 2012-03-31
Nippon Finance Association, MPT Forum
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238050734592
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- NII Article ID
- 130007528342
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- NII Book ID
- AA11480424
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- ISSN
- 24334464
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- NDL BIB ID
- 023777018
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
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