株式市場への限定的参加を考慮した消費CAPMの再評価—資産保有マイクロ・データによる実証分析—

  • 海道 宏明
    カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程

書誌事項

タイトル別名
  • 株式市場への限定的参加を考慮した消費CAPMの再評価--資産保有マイクロ・データによる実証分析
  • カブシキ シジョウ エノ ゲンテイテキ サンカ オ コウリョシタ ショウヒ CAPM ノ サイヒョウカ シサン ホユウ マイクロ データ ニ ヨル ジッショウ ブンセキ

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説明

<p>本稿は株式保有者と非保有者の消費行動の差異を明らかにすることで,消費に基づく資産価格モデル(消費CAPM)の日本におけるパフォーマンスを再評価する.資産保有についてのマイクロ・データである日経RADAR(金融行動調査)によれば1985年から2002年にかけて株式を保有している家計は全体の約25%にとどまっていた.本稿は日経RADARを基に家計の非同質性(世帯属性,教育水準,ライフ・ステージ)を制御した擬似的なコーホート・データを構築した.疑似コーホート・データからは,株式保有に対する蓋然性という基準に基づき株式保有者と非保打者を厳しく分類した場合には株式保有者の中年期消費成長率が非保有者に比べ2~5倍強く株式プレミアムと相関していることが明らかとなった.それに対し株式非保有者の消費成長率が一生を通じて株式プレミアムと強く相関しているという傾向は見られない.検証結果からは中年期には,株式保有者が消費CAPMと整合的な資源配分を行っている可能性が示唆される.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 21 (0), 3-29, 2007-03-31

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

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