株価指数の系列相関と規模別ポートフォリオの相互自己相関

書誌事項

タイトル別名
  • カブカ シスウ ノ ケイレツ ソウカン ト キボ ベツ ポートフォリオ ノ ソウゴ ジコ ソウカン

この論文をさがす

説明

<p>1960年代末からのTOPIXの収益率の週次データに関して予測可能性を検証したところ, Lo/MacKinlay[1988,1990]のアメリカについての分析結果と異なり,明確な系列相関の存在は発見されず,特に第1次石油危機後のサンプルについてはランダム・ウォーク仮説が棄却できなかった.一方,規模別ポートフォリオのデータを用いて日本の株式市場の自己相関と相互自己相関を分析すると,この点から見た日本のマーケットの構造はアメリカのそれに非常に良く似ている.これらの結果からランダム・ウォークが棄却されない大きな理由は,アメリカの実証で用いられるCRSPの指数に比ベ,TOPIXがカヴァーする範囲が大規模銘柄に偏っていることであることが示唆される.実際,日本のデータについて東証2部を合むような単純平均指数を近似的に作成した場合,統計的に有意な強い正の自己相関が存在することが示される.しかし,1990年代後半以降のデータでは規模別ポートフォリオ間の相互関係が崩れており,大型株ポートフォリオの収益率に関して1次の負の自己相関が観察されるようになったことが,その主要な要因の1つであると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 13 (0), 29-45, 2003-03-31

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ