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- 広田 真一
- 早稲田大学商学部
Bibliographic Information
- Other Title
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- 株主主権は望ましいか?—人的資本企業のモデル分析—
- カブヌシ シュケン ワ ノゾマシイ カ ジンテキ シホン キギョウ ノ モデル ブンセキ
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Abstract
<p>本稿では,株主主権が企業経営の効率性に与えるマイナス面を理論的に検討する.特に,企業の競争力の源泉として人的資本を考えた場合,株主の権利を強めることが従業員の人的投資を抑制する可能性(ホールドアップ間題)を考察する.その結果,株主権をある程度抑制することが企業全体の価値を高めることが示される.そして,企業ごとの最適な株主権の水準が,企業の特性(人的投資の企業特殊性,プロジェクトの市場価値等)や企業をとりまく環境(外部労働市場の流動性等)によって決まってくることを論じる.このことは,「株主主権は望ましいか」という問いに対する答えが,国,時代,産業,そして企業のタイプによって変わってくることを意味する.さらには,株主と従業員の長期的関係がホールドアップ問題を解決する可能性も検討する.そして,本稿のモデルの結論は,なぜ日本で株主主権が進まないのかを合理的に説明するとともに,日本のコーポレートガバナンスを考察する上で有益なインプリケーションを提供する.</p>
Journal
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- Gendai Finance
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Gendai Finance 29 (0), 75-102, 2011-03-31
Nippon Finance Association, MPT Forum
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238051844096
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- NII Article ID
- 130007528367
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- NII Book ID
- AA11480424
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- ISSN
- 24334464
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- NDL BIB ID
- 11210318
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- Abstract License Flag
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