不完備市場における消費と資産価格の一考察

書誌事項

タイトル別名
  • フカンビ シジョウ ニ オケル ショウヒ ト シサン カカク ノ イチ コウサツ

この論文をさがす

抄録

<p>本稿ではポートフォリオ制約による不完備市場を考察し,ポートフォリオ制約のシャドープライスが同一である個人から成るグループに限定した経済において完備市場と同様に,パレート効率性からリスクシェアリングが機能しプライシングカーネルが個人間で同一になることを示す.また絶対的危険許容度と消費の予備的貯蓄効果の個人についての加法性について議論する.さらに各個人のプライシングカーネルで評価した場合,資産の価格は市場で取引される価格が配当流列に対する評価とポートフォリオ制約によってもたらされる制約コストに分解されることがわかる.そして消費—資本資産価格モデル(CCAPM)については,ポートフォリオ制約下においても証券リターンと無リスク金利を各個人の制約シャドープライスのある加重平均を用いて修正するとCCAPMが成立することが示されているがその経済学的な意義付けには注意を要する.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 15 (0), 51-69, 2004-03-31

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ