<i>MLH1</i> epimutationの現状

  • 宮倉 安幸
    自治医科大学付属さいたま医療センター一般消化器外科 自治医科大学消化器一般外科
  • 安田 是和
    自治医科大学消化器一般外科
  • 菅野 康吉
    栃木県立がんセンター がん遺伝子研究室・がん予防研究室

書誌事項

タイトル別名
  • The Present Condition of MLH1 Epimutation

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説明

MLH1 epimutation は,生殖細胞系列にMLH1 遺伝子のプロモーター領域のメチル化を認め,若年のうちに大腸癌をはじめとするリンチ症候群関連腫瘍を多発する非常に稀な症候群である.世代を越えての継承を認めるgermlineepimutation と認めないconstitutional epimutation に分類され,多くは後者に属する.MLH1 epimutation の大腸癌の多くは右側大腸に発生し,片側アレルのMLH1 遺伝子のプロモーター領域のメチル化と正常アレルの欠失によりMLH1 の発現が消失しMSI-H を示す.スクリーニングでは,改訂ベテスダガイドラインとMSI 検査が重要であり,MSI-H の患者に対してはMMR 遺伝子の胚細胞変異を検索し,変異が認めない症例には,血液,癌組織のMLH1 遺伝子のプロモーター領域のメチル化の検索を行う必要がある.サーベイランスでは,リンチ症候群関連腫瘍のサーベーランスプログラムに従い異時性癌の発生に注意が必要である.

収録刊行物

  • 家族性腫瘍

    家族性腫瘍 14 (2), 29-34, 2014

    一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会

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