「野生生物」との共存を考える

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タイトル別名
  • Rethinking of the Coexistence with “Wildlife”
  • ヤセイ セイブツ トノ キョウソン オ カンガエル

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抄録

<p>本稿の目的は,「野生生物」との共存という課題について,環境問題の変化との関連を踏まえて明らかにすることである。また,そのうえで現在環境社会学が果たすべき役割を明らかにすることである。</p><p>「野生生物」との共存という課題は複雑化している。その背景には環境問題の変化があり,問題意識が社会的に受容される一方で,その根拠は抽象化し,希薄化している。環境保全のあり方そのものも変化し,その対象と手法が多様化し,関与する主体も多様化している。「野生生物」との共存という課題についても同様の変化が存在するが,獣害問題のように生物の側の変化も認められる。</p><p>こうした状況に対応するためには,野生という定義とその価値を問い直したうえで,生物多様性と社会の豊かさの関係を問う視点が必要となる。</p><p>その試みとして,普遍主義としての環境主義によるパターナリズムへの批判というこれまでの環境社会学の成果を生かしつつ,生態系サービスの概念を応用して,人間と生物の動的な関係を分析する必要性を明らかにした。また今後の課題として,合意形成,自然の価値,資源化,などの重要性を指摘した。</p>

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