鳥取砂丘海岸に生息する好砂海生菌の多様性と生態

  • 藤原 沙耶
    鳥取大学大学院農学研究科
  • 遠藤 直樹
    鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター
  • 早乙女 梢
    鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター
  • 前川 二太郎
    鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター
  • 中桐 昭
    鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Diversity and ecology of arenicolous marine fungi inhabiting the Tottori Sand Dunes beach
  • トットリ サキュウ カイガン ニ セイソク スル コウサカイ セイキン ノ タヨウセイ ト セイタイ

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説明

<p>鳥取砂丘海岸の砂浜の海泡中の好砂海生菌の胞子と海浜の砂粒上に形成される子実体を約2年半定期観察し,13属22種〔子嚢菌21種(無性世代4種を含む),担子菌1種〕を同定した.出現菌種を既報と比較したところ,鳥取砂丘海岸の海生菌相は,太平洋沿岸のそれとはやや異なり,日本海沿岸域から報告されている種を多く含むことが確認された.出現菌のうち9属15種は胞子が海泡に含まれる季節的傾向により通年型,温暖型,寒冷型の3タイプに類別できた.さらに,これらは温度に対する菌糸生長や胞子形成の特性が異なっており,海泡中の胞子における出現種数の季節変動の要因になっていることが示唆された.さらに,各種基質(流木・海藻・羽毛・重油)を用いた菌種ごとの基質資化性を調査した結果,種ごとに異なる基質嗜好性が明らかとなり,その違いが海浜に生息する好砂海生菌の種多様性に寄与していると考えられた.</p>

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