食道癌縦隔リンパ節転移との鑑別を要したメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例

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  • A Case of Mediastinal Methotrexate-associated Lymphoproliferative Disorder in a Patient with Esophageal Cancer

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抄録

<p>背景.メトトレキサート(methotrexate:MTX)は関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)患者に対する治療薬として広く用いられ,それに伴いメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(methotrexate-associated lymphoproliferative disorder:MTX-LPD)の報告もみられる.症例.78歳,女性.嚥下障害と咳嗽を主訴に受診した.精査の結果,胸部中部食道癌と多発する縦隔リンパ節の腫大を指摘された.RAに対して10年間のMTX内服歴があり,MTXを中止したところ症状と画像所見の改善を認めた.同時に,縦隔鏡下リンパ節生検を施行したところMTX-LPDと診断した.食道癌は内視鏡的粘膜切除にて治療した.結論.肺門や縦隔リンパ節の腫大を伴ったMTX-LPDは,胸部領域の癌の評価に際して病期の過剰診断を誘導する危険性がある.治療適応を決定する上で影響があることを念頭に,正確な組織診断を行うことが大切である.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 40 (6), 574-579, 2018-11-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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