良性セメント芽細胞腫の電子顕微鏡学的研究

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  • Ultrastructural study of benign cementoblastoma

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抄録

<p>23歳男性の左側下顎臼歯部に発生した Benign cementoblastoma の電子顕微鏡的観察を行い, 腫瘍細胞の微細形態について検討した。</p><p>腫瘍はシート状あるいは網目状に増殖するセメント質様硬組織と比較的少量の結合組織からなっていた。 光顕的には, 硬組織に接する面に多角形細胞 (硬組織形成細胞と考えられる) および多核巨細胞, 硬組織内封入細胞,硬組織から離れた結合組織内に小型紡錘形細胞などが認められた。硬組織形成細胞は, 電顕的に, 暗調でミトコンドリアの豊富な多角形細胞から, ミトコンドリアの少ない胞体のやや明調な楕円形細胞までの多様な形態を示した。前者は不整形核と発達の良い粗面小胞体, ゴルジ装置および指状の細胞突起を持ち骨芽細胞の特徴を有していた。特に層状に配列する粗面小胞体間にミトコンドリアが混在する所見は Benign osteoblastoma の腫瘍細胞の特徴に酷似していた。しかし後者は, Benign osteoblastoma ではこれまで認められていない細胞形態でセメント芽細胞に類似しており, この細胞形態の存在の有無を両腫瘍の鑑別点の1つと考えた。</p>

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