電子カルテ閲覧による病院と保険薬局の連携

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  • 金鯱薬薬連携研究会の活動より

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抄録

近年、地域完結型医療を進めるため、病院勤務医とかかりつけ医の顔の見える医療連 携は進んだが、院外処方を受け持っている保険薬局と病院勤務医、病院薬剤師とのつな がりは、一部の門前薬局を除き、希薄であったと言わざるを得ない。一方、超高齢化社 会を迎え、多くの高齢者が複数の医療機関を受診し、それぞれの医療機関から処方を受 けるようになった。それらの処方間の相互作用、併用禁忌などをリアルタイムにチェッ クできるのはかかりつけ薬局のみであり、その意味で、保険薬局に対する期待は大きい。 また、保険薬局は病院医師の処方を疑義照会という形で、チェックする医療安全上の役 割も果たしている。我々は広い意味でのチーム医療として、病院医師・薬剤師と保険薬 局との連携が重要であると考え、2014 年金鯱薬々連携会を立ち上げ、研究会を通して、 顔の見える医療連携を推進してきた。また、2009 年より当院は電子カルテをかかりつ け医が閲覧するシステムである金鯱メディネットを運用しているが、2015 年より保険 薬局にも試験的に公開することとした。現在、12 保険薬局がこのシステムを利用して おり、医師の処方意図を理解した上での服薬指導、あるいは疑義照会などに役立ててい る。保険薬局のあり方が問われる今、この電子カルテ閲覧システムの導入は保険薬局の 質の向上につながり、かかりつけ薬局としての一つの方向性を示すものではないかと考 える。

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