内部統制報告規制が利益の質と裁量行動に与えた影響

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タイトル別名
  • The Impact of Internal Controls Regulation on Earnings Quality and Earnings Management: Evidence from Japan
  • ナイブ トウセイ ホウコク キセイ ガ リエキ ノ シツ ト サイリョウ コウドウ ニ アタエタ エイキョウ

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抄録

本研究の目的は,内部統制報告規制(J-SOX法)が日本企業の利益の質と裁量行動の意図に影響を与えたかどうかを解明することである。本研究では,内部統制報告書で「重要な欠陥」を開示した企業(MW企業)とペアサンプルについて,J-SOX法施行前後における会計発生高の質,予測精度,裁量行動の意図の変化を分析することによって内部統制報告規制の影響を検証する。本分析の結果,次のことが明らかとなった。(1)J-SOX法施行以降,統制企業は会計発生高の質,予測精度ともに改善された。(2)MW企業は,J-SOX法施行以降も会計的裁量行動が観察されたが,統制企業はJ-SOX法施行以降実体的裁量行動が観察されなくなった。(3)MW企業の会計的裁量行動は,会計発生高の質が会計発生高と有意な関連性を有しているため,機会主義的意図を有する可能性が高く,一方,統制企業の会計的裁量行動は,会計発生高の質が会計発生高と有意な関連性を有していないため,情報伝達的意図を有するものに変更した可能性が高いと思われる。

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