医療者が行うがん患者の外見支援の意義

  • 野澤 桂子
    国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター

書誌事項

タイトル別名
  • Significance of Health Professionals' Appearance Support for Cancer Patients
  • シンポジウム 医療者が行うがん患者の外見支援の意義
  • シンポジウム イリョウシャ ガ オコナウ ガン カンジャ ノ ガイケン シエン ノ イギ

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抄録

<p> 近年, がん医療 (手術・放射線・抗がん剤治療) の進歩や通院治療環境の基盤整備は目覚ましく, 全がんの5年生存率が上昇し, かつ仕事をもちながら通院している患者が32.5万人存在する (2010年) 。しかし, 患者が社会と接触しながら治療生活を送ることは, よりがん治療に伴う外見の変化を患者に意識させる結果となる。実際に, がん患者638名に対する調査 (2013年) では, 治療に伴う身体的副作用のなかでも外見に現れる副作用の苦痛度が高く, 患者の97.4%が外見の変化とケアの情報は病院で与えられるべきであると考えていた。</p><p> この患者ニーズの高さにも現れているように, 皮疹や脱毛など, 外見の変化に対する苦痛は大きい。しかし, その一方で, 医療者は日常診療のなかで, 患者の苦痛の大きさが必ずしも症状の大きさに比例しないことを実感しているはずである。最近の研究結果も踏まえ, がん患者が何に苦痛を感じ, 医療者はどのように支援するのがよいのかについて述べる。</p>

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