アトピー性皮膚炎の表皮における構造の質的変化

  • 大森 深雪
    東京女子医科大学医学部微生物学免疫学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Changes of Structures and Functions in the Epidermis of Atopic Dermatitis
  • シンポジウム アトピー性皮膚炎の表皮における構造の質的変化
  • シンポジウム アトピーセイ ヒフエン ノ ヒョウヒ ニ オケル コウゾウ ノ シツテキ ヘンカ

この論文をさがす

説明

<p> アトピー性皮膚炎を含むアレルギー疾患は, Th2型サイトカイン優位な体内環境を特徴とする。それに加えて, 急性期炎症ではIL-17Aの発現が, 慢性期炎症ではIFNγおよびIL-22の発現が増加することが近年報告された。病変部に集積した免疫細胞がおもに産生するこれらのサイトカインは, 表皮構造を担うタンパク質の発現を変化させることが明らかになりつつある。本総説では, (1) アトピー性皮膚炎で発現が増加するサイトカインのうち, 表皮ケラチノサイトに作用するものに着目し, 表皮構造を担うタンパク質の発現における作用について総括する。また, (2) ケラチンとデスモソーマルカドヘリンを例にあげ, 構造を担うタンパク質の発現低下によって起こる炎症性サイトカインの産生や, その他の構造タンパク質の発現低下について紹介する。最後に, アトピー性皮膚炎の病態を考察するうえで, 表皮の構造という見地からも病態を捉えることの重要性を提起する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ