気管食道瘻を呈したEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌に対してゲフィチニブの胃管投与が有効であった1例

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  • Successful Treatment of Gefitinib Administration Through a Nasogastric Tube in a Patient with <i>EGFR</i> Mutation-positive Lung Adenocarcinoma Associated with Tracheoesophageal Fistula

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抄録

<p>背景.全身状態不良のepidermal growth factor receptor(EGFR)遺伝子変異陽性非小細胞肺癌患者においても,ゲフィチニブは有用である.今回,我々は気管食道瘻を呈したEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌に対してゲフィチニブの胃管投与が有効であった1例を経験したので報告する.症例.69歳女性.呼吸困難が出現したため前医に救急搬送された.画像検査で縦隔リンパ節腫大による気管狭窄所見を認め,低酸素血症が悪化したため人工呼吸管理の上,当院転院となった.転院後は縦隔リンパ節の内部壊死に伴い気管狭窄は改善していたが,気管食道瘻を呈していた.精査の結果,原発性肺腺癌(cT4N2M1a,stage IV),EGFR遺伝子変異陽性Exon 19 deletionと確定した.気管食道瘻により経口内服困難であったためゲフィチニブを胃管より投与開始したところ,約3週間で瘻孔の閉鎖,腫瘍縮小を認めて全身状態も改善した.結論.気管食道瘻を呈した全身状態不良のEGFR遺伝子変異陽性患者において,ゲフィチニブの胃管投与は有用であった.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 41 (1), 55-60, 2019-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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