小児における口腔筋機能療法(MFT)の訓練効果について

DOI
  • 杉本 明日菜
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔科学部門臨床歯学系小児歯科学分野
  • 赤澤 友基
    徳島大学病院小児歯科
  • 河原林 啓太
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔科学部門臨床歯学系小児歯科学分野
  • 宮嵜 彩
    徳島大学病院小児歯科
  • 上田 公子
    徳島大学病院小児歯科
  • 北村 尚正
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔科学部門臨床歯学系小児歯科学分野
  • 岩本 勉
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔科学部門臨床歯学系小児歯科学分野 徳島大学病院小児歯科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Oral Myofunctional Therapy (MFT) in Children

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抄録

<p>口腔筋機機能療法(Oral Myofunctional Therapy : MFT,以下MFT)は口腔周囲筋のバランスの調和をとることで,歯列・咬合の形態を正常に維持することや,咀嚼・嚥下・構音といった小児期の口腔機能の発達支援を目的として行われる治療法の1 つである。様々な訓練方法が提案されているが,個々の訓練の効果について検討された報告は少ない。そこで,今回当科で実施したMFT について一連の訓練を行い,かつ発表に際して同意の得られた20 名(男児15 名,女児5 名,平均年齢7 歳7 か月)についてその治療効果の検討を行った。 その結果,訓練前・後で比較して口唇閉鎖不全のある児は55%から35%,嚥下時舌突出のある児は100 %から50%,構音時舌突出のある児は95%から60%に減少し,改善がみられた。とくに嚥下時舌突出と訓練法の1 つである「スラープスワロー」との間に相関を認めた。しかし,訓練が達成できていても機能の改善が十分でない児もおり,さらなる訓練法や訓練時期の検討が必要であると考えられた。 様々な分野で口腔機能が注目されているが,とりわけ小児期での口腔機能の獲得は生涯を通じての健康に非常に重要な意味をもつ。本調査では20%の児は形態的な問題を有しておらず機能面の問題のみを呈していた。こうした児についても積極的に介入し口腔機能を向上させることは将来の健康寿命延伸に有意義である。そのため,小児の発育・発達に沿った訓練を構築し,口腔機能獲得の支援法として提案することが必要である。</p>

収録刊行物

  • 小児歯科学雑誌

    小児歯科学雑誌 56 (1), 1-11, 2018-02-25

    一般財団法人 日本小児歯科学会

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