複数気候モデルによる海面上昇に伴う浸水影響の不確実性評価

  • 土田 晃次郎
    茨城大学 大学院理工学研究科都市システム工学専攻
  • 田村 誠
    茨城大学 地球変動適応科学研究機関
  • 熊野 直子
    茨城大学 地球変動適応科学研究機関
  • 増永 英治
    茨城大学 広域水圏環境科学教育研究センター
  • 横木 裕宗
    茨城大学 大学院理工学研究科都市システム工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • GLOBAL IMPACT AND UNCERTAINTY ASSESSMENT OF SEA LEVEL RISE BASED ON MULTIPLE CLIMATE MODELS
  • フクスウ キコウ モデル ニ ヨル カイメン ジョウショウ ニ トモナウ シンスイ エイキョウ ノ フカクジツセイ ヒョウカ

この論文をさがす

抄録

本稿では,CMIP5にある8個の気候モデルおよび社会経済シナリオ(SSPシナリオ)を用いて海面水位上昇量および潮汐を考慮した全球沿岸域における浸水影響の不確実性を評価した.その結果,2100年における潜在的浸水面積はRCP8.5で約35万km2(NorESM1-M)~約46万km2(MIROC-ESM-CHEM)であり,平均値に対して29%の幅があった.影響人口は,RCP8.5では5,700万人(NorESM1-M,SSP1)~1.17億人(MIROC-ESM-CHEM,SSP3)であり,RCP2.6では5,000万人(NorESM1-M,SSP1)~9,700万人(MIROC-ESM-CHEM,SSP3)であった.被害額は,RCP8.5では1,640億$(GFDL-ESM2M,SSP3)~5,260億$(MIROC-ESM-CHEM,SSP1)であり,RCP2.6では1,470億$(NorESM1-M,SSP3)~4,520億$(MIROC-ESM-CHEM,SSP1)であった.これらの全球沿岸域における気候変動影響の不確実性評価は,地域毎の最適な適応策を検討する際の判断材料になることが期待される.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ