気管軟化症によるスピーチカニューレの挿管患者における笑気吸入鎮静法を用いた歯科治療の経験

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タイトル別名
  • Experience of Dental Treatment Using Nitrous Oxide Inhalation Sedation Method for an Intubation Patient with Speech Cannula due to Trachea Osteomalacia

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説明

<p>気管軟化症は気管壁の全般的または局所的な脆弱性のため,呼気時もしくは胸腔内圧上昇時に気管内腔が高度に虚脱する病態である.</p><p>今回われわれは出生時より気管軟化症と診断された後,気管狭窄症を併発し気管切開が施され,カニューレにより呼吸管理を行っている22歳の精神遅滞を伴う女性に対して,笑気吸入鎮静法を用いた歯科治療を経験したので報告する.</p><p>患者は発声訓練のため通常の気管カニューレからスピーチカニューレへ移行しており,口腔内は上顎左側第一大臼歯に残根を認めた.通法により抜歯を試みたが開口保持への協力が得られないため,笑気吸入鎮静法を計画した.呼吸管理にあたり肺炎予防と気管軟化症への特別な配慮が必要であった.スピーチカニューレの構造は,一方通行弁と側孔が付与されている非再呼吸式回路であることから,呼吸器の乾燥対策として麻酔ガスと診療室の外気への加湿を行った.気管軟化症に対しては,気道内外からの機械的圧迫刺激を可及的に避けるよう注意を要した.さらに偶発症への対応の準備として気管内の吸引カテーテル,および陽圧呼吸の必要に備えるために循環式麻酔器と通常のカフ付きカニューレの用意を行った.</p>

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