高齢な誤嚥性肺炎患者の生命予後に関連する因子

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  • Factors Associated with Prognosis in Elderly Patients with Aspiration Pneumonia
  • コウレイ ナ ゴエンセイ ハイエン カンジャ ノ セイメイ ヨゴ ニ カンレン スル インシ

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<p>【目的】高齢者では,老嚥により誤嚥性肺炎発症のリスクが増大する.先行研究では,禁食や安静が誤嚥性肺炎の回復に悪影響であるといった報告がある.そこで,高齢な誤嚥性肺炎患者の生命予後に関連する因子を検討した.【方法】対象は, 2010年 12月から 2016年 12月に A病院で誤嚥性肺炎の治療を行った高齢者 80名(中央値: 87.0歳)とし,年齢,栄養状態(総リンパ球数,血清アルブミン値,血清総蛋白, Mini Nutrition Assessment Short Form: MNA-SF, Body Mass Index: BMI),摂食嚥下障害重症度分類(DSS)による嚥下機能, ADL状態,入院前の居所,禁食期間,安静期間,入院日数について診療情報記録より情報収集を行った.統計解析は,新高齢者分類(准高齢群,高齢群,超高齢群)において群間比較,および入院前の居所(病院,介護施設,自宅)に対し Fisherの正確確率検定を行った.超高齢群,高齢群内では,退院時転帰における生存群 /死亡群の群間比較を行った.また,従属変数を退院時生死とした多重ロジスティック回帰分析を全対象者,超高齢群,高齢群において実施した.【結果】年代別の群間比較では,超高齢群で入院日数が有意に短かった.入院前の居所については,超高齢群 /高齢群の比較において,介護施設および自宅の割合に有意差を認めた.生存群 /死亡群の比較では,生存群において,超高齢群で MNA-SFの値が有意に高く,高齢群では安静期間が有意に長かった.多重ロジスティック回帰分析においては,全対象者で MNA-SFと BMIが,高齢群で血清総蛋白と総リンパ球数が独立変数として得られた.超高齢群では,有意な独立変数は得られなかった.【結論】高齢な誤嚥性肺炎患者の生命予後には,栄養状態が最も関連していた.超高齢群では,入院日数が有意に短く,入院前の居所が関連していることが示唆された.</p>

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