前房蓄膿を初発症状として診断された小児急性リンパ性白血病の1例

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  • A Case of Pediatric Acute Lymphoblastic Leukemia Diagnosed with Hypopyon as Initial Symptom

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抄録

<p>前房蓄膿は主に感染症やベーチェット病などの自己免疫性疾患に見られる病態であるが,稀に急性白血病に合併することも知られている.症例は5歳女児で,左眼充血にて近医を受診した際に前房蓄膿,虹彩炎を指摘され,基礎疾患の精査目的に当科を紹介された.当科での精査でB前駆細胞性急性リンパ性白血病(BCP-ALL)と診断され,髄液細胞診で中枢神経浸潤を認めた.同時に左眼の眼圧上昇のため化学療法開始前に緊急で虹彩切除術を施行され,ALL細胞の虹彩への浸潤が証明された.化学療法に対する反応は良好で,現在まで約7年間完全寛解を維持している.急性白血病における前房蓄膿は再発時に見られることが多く,初発時に合併することは非常に稀である.また眼球への抗がん剤の移行は十分ではないため,再発に対し注意深い観察が必要である.</p>

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