睡眠障害と睡眠用具アルファースリーム<sup>®</sup>の効果

  • 永田 勝太郎
    (公財)国際全人医療研究所 WHO(世界保健機関)心身医学・精神薬理学 千代田国際クリニック
  • 村尾 佳美
    (公財)国際全人医療研究所 千代田国際クリニック
  • 志和 悟子
    (公財)国際全人医療研究所 千代田国際クリニック
  • 大槻 千佳
    (公財)国際全人医療研究所 千代田国際クリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Sleep Disorders and the Effects of AlphaSlim<sup>®</sup>
  • 睡眠障害と睡眠用具アルファースリームの効果
  • スイミン ショウガイ ト スイミン ヨウグ アルファースリーム ノ コウカ

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抄録

<p>【目的】睡眠用具であるアルファースリーム®が睡眠障害者の睡眠に及ぼす影響,また人体に及ぼす生理的効果,安全性,QOL効果について検討した.</p><p>【方法】封筒法により,Active群とdummy群に分類し,両群間の効果を比較検討する.睡眠用具の使用期間は2ヶ月間であった.対象に対し,主観的,客観的各種検査を行なった.</p><p>【結果】試験終了時の被験者は,20例であった(A群9例,D群11例).睡眠健康調査票(AIS):治験後,A群では,有意に睡眠障害が改善した.CHCW(働く人のこころとからだの早期健康チェック):治療後,A群では,有意に改善したが,D群では不変であった.A群のQOLが改善されたと言えよう.SOC健康調査票:治療後,A群では,有為に改善したが,D群では不変であった.一般血液・尿・心電図・胸部X-P検査(安全性の評価):両群ともに治験前後で異常者は認められなかった.ヘッドアップティルト試験に伴うHRVのスペクトル解析:治験後,A群では,HF amp.は有意に改善した.酸化バランス防御系の測定:d-Rom値は,治験後A群で有意に低下し,改善した.A群の修正比は,治療後に有意に改善した.血行動態の測定(ヘッドアップティルト試験):治験後,臥位でA群のSBPは,有意に低下し,HR(A群)は,有意に低下した.SV・CIで上昇傾向,TPR(A群)で下降傾向が観られた.コルチゾール,DHEA-S,カテコールアミン3分画,ADH, ACTH:ノルアドレナリンは,治験後,A群で下降傾向が認められた.DHEA-Sは,治験前の両群間に有意差はなかったが,治験後,A群で有意に上昇した.</p><p>【考察】睡眠用具アルファースリーム®は,睡眠障害者の睡眠を安全に改善させ,QOLを高め,被験者の人生を前向きな積極的なものに変える効果までもたらした.客観的には,心拍変動(HRV)のスペクトル解析で,副交感神経系機能を高め,酸化バランス防御系における酸化ストレスを低下させ,潜在的抗酸化能を向上させ得た.ノルアドレナリン,DHEA-Sには,向ホメオスタシス的な影響を与えた.以上から,適切な睡眠用具の使用は,単に睡眠を改善させるだけではなく,昼間のストレス社会に適応して行くなかで歪んだホメオスタシスのバランスを正常化させる作用,すなわち,向ホメオスタシス作用があると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 全人的医療

    全人的医療 15 (1), 4-16, 2016-12-25

    公益財団法人 国際全人医療研究所

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