中国における都市化と世代間関係の変容――浙江省一近郊農村の事例研究より――

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  • 施 利平
    明治大学情報コミュニケーション学部

書誌事項

タイトル別名
  • Urbanization and the Transformation of Intergenerational Relations in China: A Case Study of a Suburban Area in Zhejiang Province
  • チュウゴク ニ オケル トシカ ト セダイ カン カンケイ ノ ヘンヨウ : セツコウショウ イチ キンコウ ノウソン ノ ジレイ ケンキュウ ヨリ

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説明

<p>本稿は中国における90年代以降の都市化が世代間関係にいかなる影響を与えたか，浙江省一近郊農村の事例研究より解明する．</p><p>老親と既婚子が同一村落で居住する45～59歳のサンドイッチ世代の世帯主とその配偶者を調査対象とし，彼らからみた老親および既婚子との関係を分析した結果，都市化により，経済力が上昇するとともに社会保障制度が整備されると，高齢の親世代はサンドイッチ世代への経済的依存が減少した一方，子世代は親と同居し，家計も家事・育児も親に依存するようになったことがわかった．しかし，このような世代間関係の変容は人々の家族観の変化を意味するものではない．それよりはむしろこれらの世代間関係は，個々人の利益よりも，家族・一族の利益を優先する「家本位ロジック」に即した，家族戦略であり，多世代連携プレーである．</p>

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