カレイ目魚類における視物質遺伝子の分子進化

  • 笠木 聡
    北里大学 海洋生命科学部 魚類分子内分泌学研究室
  • 水澤 寛太
    北里大学 海洋生命科学部 魚類分子内分泌学研究室
  • 高橋 明義
    北里大学 海洋生命科学部 魚類分子内分泌学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular evolution of flounder visual opsin genes

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説明

<p>カレイ目魚類における緑色光と成長の関連を解明するため,視覚オプシン類の特性を調べた.マツカワでは緑タイプオプシンの一種であるRH2-Aが偽遺伝子化していた.また,構造上は青タイプオプシンのSWS2Aは,機能上は緑色光感受性であった.さらに,マツカワにホシガレイ,ババガレイおよびヒラメを加えた4魚種の間でオプシン遺伝子の特性を比較した.RH2-A遺伝子はホシガレイでは消失していた.またババガレイとヒラメの成魚では,遺伝子は存在するものの発現が認められなかった.よって,カレイ目全般でRH2-Aの重要性が低いことが示唆された.SWS2Aはババガレイとヒラメにおいて構造が示すとおり青色光感受性であった.しかしホシガレイではマツカワと同じように機能上は緑色光感受性であった.以上から,マツカワとホシガレイからなるマツカワ属では,SWS2Aが青色光感受性から緑色光感受性に変化して,同属におけるRH2-Aの機能的消失を補償していると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 電気泳動

    電気泳動 63 (1), 15-18, 2019

    日本電気泳動学会

参考文献 (7)*注記

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