他害や自傷などの行動問題を示す自閉症者への支援

書誌事項

タイトル別名
  • Supporting for aggressive and self-injurious behavior in a person with autism
  • 他害や自傷などの行動問題を示す自閉症者への支援 : 先行子操作を中核として
  • タ ガイ ヤ ジショウ ナド ノ コウドウ モンダイ オ シメス ジヘイショウシャ エ ノ シエン : センコウコ ソウサ オ チュウカク ト シテ
  • 先行子操作を中核として

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抄録

<p>本研究では、施設に入所する自傷や他害等の行動問題を示している知的障害を伴う自閉症の男性1 名に対して、先行子操作を中核とした支援を行うことで行動問題を軽減することを目的とした。対象者の行動問題に関する機能的アセスメントを実施した結果、注目獲得の機能や次の活動を早く行いたいという要求機能で維持されている可能性が示唆された。介入期Ⅰでは、対象者に特定の時間帯に靴下や衣類を提示することによって行動問題を予防する支援を行った。さらに介入期Ⅱでは、提示する靴下や衣類の数を増やし、衣類や靴下の入っている対象者の居室のロッカーを解錠した。支援の結果、介入期Ⅰではベースラインと比較して対象者の行動問題に軽減が見られた。反転期において一時的に行動問題の増加が見られたが、介入期Ⅱではさらに行動問題の大幅な軽減が観察された。これらの結果は、靴下や衣類が数多く提示されたことによる選択肢の拡大の効果と行動問題への確立操作の効果であると考えられた。今後の課題として、対象者に対するスケジュール操作の支援の必要性と職員間の連携と介入の厳密性を高める必要があることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 自閉症スペクトラム研究

    自閉症スペクトラム研究 11 (2), 29-37, 2014-03-31

    NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会

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