制御呼吸による生理効果と気功における呼吸法

DOI
  • 劉 超
    東京電機大学・工学部・電子工学科
  • 町 好雄
    東京電機大学・工学部・電子工学科

書誌事項

タイトル別名
  • The Physiological Effect of Controlled Respiration and the Meaning of Respiration Method in Qigong Therapy

抄録

本研究は、三調と言われる気功の三つの要素(調身、調息、調心)の内の調息に焦点を当てるものである。人は呼吸(吸気と呼気)の時間を意識的に制御すると、安静状態に較べて酸素濃度(SpO_2)、呼気中の酸素O_2、二酸化炭素(CO_2)、血圧(PPG)、心電図(ECG)等に生理変化が認められる。このことから、気功の呼吸法の瀉法と言われる呼吸法で呼気時間を吸気時間より短くする意義、また、補法と言われる呼吸法で呼気時間を吸気時間より長くする意義を知ることが出来た。本研究のもう一つの目的は、約2千年の歴史を経て現代も実践されている六字訣気功法の理論を検証することである。制御呼吸(吸気時間5秒-呼気時間15秒と吸気時間15-呼気時間5)の順腹式呼吸(吸気時に腹部を膨らませ、呼気時に腹部を凹ませる)の生理データから六字訣気功法の生理作用を検討した結果、次のことが判った: 1.吸気時間5秒-呼気時間15秒の場合:安静状態に較べて呼吸中の抹消酸素濃度(SpO_2)が増加し、呼気中の酸素O_2が減少し、二酸化炭素(CO_2)が増加した。呼吸後の安静時には、血圧差の分散度が減少するが、心電図の心拍数とR点電位のには明確な変化が見られなかった。 2.吸気時間15秒-、呼気時間5秒の場合:安静状態に較べて呼吸中の抹消血中酸素濃度(SpO_2)が増加し、呼気中の酸素(O_2)が増加し、二酸化炭素(CO_2)が減少し、呼吸後の安静時には血圧差と心拍数には明確な変化が見られなかったが、R点電位が増加する傾向が見られた。

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キーワード

詳細情報

  • CRID
    1390564238088274560
  • NII論文ID
    110001091825
  • DOI
    10.18936/islis.19.1_90
  • ISSN
    24240761
    13419226
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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